プロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズから6位指名された四国銀行の川田悠慎選手。ドラフト会議直後の23日午後8時から会見に臨みました。

◆四国銀行 川田悠慎選手
「本日はお忙しい中、また夜遅い時間にもかかわらず、お集まりいただき、まことにありがとうございます。本日開催されましたプロ野球ドラフト会議におきまして、埼玉西武ライオンズからの指名をいただきました。幼い頃から夢見ていたプロ野球選手への道が開けたこと、本当にうれしく、また信じられない気持ちでいっぱいです。正直に申し上げますと、私の野球人生は決して順風満帆ではありませんでした。試合に出られない悔しさ、ベンチで仲間を応援することしかできない歯がゆさ。そんな時間が私の野球人生の大半を占めていました。全国大会にも縁がなく、実力不足を痛感する日々が多かった記憶があります。だからこそ、四国銀行に入行してからは、もう後悔したくない、やるしかないという思いで必死に努力してまいりました。試合に出られなかった時間が長かったからこそ、試合に出られることのありがたさを誰よりも知っています。だからこそ、グラウンドに立つ以上は全力でプレーすることが当たり前だと思ってやってきました。本日、こうして埼玉西武ライオンズから指名をいただけたのは、応援してくださった地域の皆様、お客様(勤務先の)大津支店をはじめ、職場の皆様、野球部の亀岡監督、先輩、同僚の皆さん、そして高校時代、大学時代からどんな時も見捨てずに支え続けてくれた家族のおかげです。心より感謝申し上げます。埼玉西武ライオンズでは、私の持ち味である足を活かし、チームの勝利に貢献できるよう全力で頑張ります。1試合1試合を大切に全力でプレーする姿をお見せしたいと思います。プロに入るのがゴールではなく、ここからがスタートだという思いを忘れず、全力で勝負します。四国銀行の、そして高知の代表として恥じない選手になれるよう、精一杯努力してまいります。これからも温かいご声援をよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました」

Q 自分は決して順風満帆ではなかったという話があったが、そこからプロ野球選手になるまでどうやって這い上がっていったのか。
「大学生の時に社会人で野球をやりたいという思いがあって、でもいけるかどうか分からないという状況の中で、四国銀行さんにとっていただいて、とっていただいたからにはやるしかないと思っていました。最初はプロを目指すとか、そういうことを考えなかったんですけど、今年に入ってぐらいからそういうところも意識はして。亀岡監督がずっと寄り添ってくださって「本当に絶対やってやる」という気持ちでずっとやってきました」

Q ドラフト会議は、どんな状況で見ていたのか
「会議室で亀岡監督と大北主将と平瀬コーチと3人で(見ていた)」

Q指名された瞬間の気持ちは
「言葉にできないというか、本当にあんまり覚えてないんですけど、本当に頭の中が真っ白になって、人生で味わったことのない感情でした」

Q指名の順位と球団含めて想像していた結果だったか。
「指名されるっていうことも思ってたわけじゃないので、ずっと不安な気持ちで待ってたので、まあ想像はしてないですね」

Qライオンズの印象は
「ピッチャーを中心とした守備で守り勝つ野球というイメージです」

Qはっきりプロに行きたいと思ったのはいつごろか
「今年の1月ですかね。プロの方が見ていただいているというお話を聞いて、そういうチャンスってないと思ったので、そこから本気で目指そうという風に思いました」

Q小さい頃にも(プロに行きたいという夢を)抱いたことはなかったのか
「野球を始める時に父親から『やるんやったら本気でやれ』っていう風に言われて、『プロ野球を目指す中でも一流を目指さないと意味がない』っていう風に言われてたんで、小っちゃい頃は目指していたんですけど、高校・大学と自分の立ち位置を見た時に目指す位置ではなかったので、高校・大学の頃は本当に考えられるレベルじゃなかったんで、もう目の前の自分のやることやるべきことをこなすのが精一杯だったっていう、振り返ったらそう思います。

Qバッティングはどうなんでしょうか。
「積極性だと思っています」

Qバッターにもいろんな種類がありますけれども、ミート力なり、なんなり技術面では
「技術は技術、そうですね。やっぱ足があるんで」

Q資料には投手・捕手以外の全ポジションを守れるとあるが、得意な守備位置は
「外野の守備は足を活かして守れるところなので、一番武器かなとは思ってます」

Q森木投手(高知高校→阪神タイガース)との年齢差は
「2つです」(川田選手が先輩)

Q高知高校時代、甲子園の経験は
「ないです」

Q大学時代は関西6大学での優勝経験は
「ないです」

Q4年の時はキャプテン
「キャプテンです」

Q四国銀行を選んだ理由は
「大学3年生の時に社会人野球でやりたいっていう中で、地元に四国銀行っていう野球部があるのも知ってましたし、それでもセレクション行って合格という形でお言葉をいただいて、その時点で四国銀行でやろうというふうに決めました。

Q1年目のプロでの目標は
「そうですね。もうやっぱり足が一番の武器であるんで、盗塁王というのは目標にしてやっていきたいなと思ってます」

Q大学の時に盗塁王とか初タイトルは取ったことは
「タイトルは何も取ってません。大学の時は3年の春にフルシーズン出ただけで、他は出たり出なかったり」

Q最終的にプロでの一番の目標は
「先ほども言いましたけど、盗塁王というのを一番の目標に頑張っていきたいと思ってます」

Q将来的な目標は
「誰からも愛されるプロ野球選手というか、理想としていただけるプロ野球選手になりたいなと思ってます」

Q憧れの選手は
「北海道日本ハムファイターズの北山亘基さんは憧れというか、本当に尊敬してるプロ野球選手です。大学が一緒で、取り組み方というか、私生活からも野球のことを常に考えて行動されてたので、本当にこういう方がプロに行くんだなっていう風に思っていました。私生活すべてを野球に捧げていたので、そこがやっぱ尊敬できる部分で目標にしている」

Q対戦したいのも北山投手
「はい」

Qどんな勝負をしたい
「力で行くというよりかは、頭を使って攻略したいと思ってます」

Q今も連絡をとるのか
「今はないですね」

Q球場で会うことになる
「そうですね」

Q銀行員がプロ野球世界に飛び込むというのはなかなかないこと。銀行で学んだことをどういう風にプロの世界で生かしていきたいと考えているか。
「銀行員として会社の社長さんとか、普通に生活している人たちと関わる機会が多くて、また銀行の支店長であったりっていう、その道のプロの方と関わってきて、会社の従業員を背負ってそれだけの覚悟があって、会社を経営していて、プロとしての考え方を学ぶことができた」

Q今の時点でプロフェッショナルとは何だと思うか
「24時間、そのことをずっと考え続けられる方だと思ってます」

Q高知高校の後輩・森木大智投手が今年で阪神戦力外となった。これまで野球をしたくてもできなかった人、後輩や同級生、そういう思いをどう背負うか
「本当に自分自身(試合に)出られない期間もあったり。でも試合に出られる喜びっていう部分は、本当に常に持ってプレーをしてたので、高校からプロに行きたくても行けなかった人とか、やりたくても怪我とかでできなかった人とかもいますので、そういう方たちに対しても、死にものぐるいで全力でプレーすることが一番大事なのではないかなという風に思ってます」

Q両親にはどう伝えたか
「先程電話しました。泣きながら本当におめでとうって言ってくれました」

Q(川田選手の地元)高知県の宿毛市・四万十市でも野球をする子供達が減っているが、今野球を頑張っている子供達にメッセージを
「やっぱりこう、悔しいこととか、野球やってて思うことはあると思うんですけど、そういう思いをした中でも、ヒットを打ったり、守備でいいプレーをしたりしたら絶対嬉しい。野球は楽しいという気持ちになると思うんですよ。そういう思いをするには、しんどい時でも練習をするしかないですし、僕もこうやって選んでいただいてプロ野球選手になれてますけど、正直、悔しくて野球をやりたくないって思った時もありましたけど、家族であったり、大津支店(の同僚が)僕が出勤しない分カバーしてくれてる人たちのことを思うと、やるのが当たり前っていう風になるので、小さい子たちも親御さんに野球をやらせてもらってるっていうか、感謝の気持ちを持ってやってほしいなと思います」

Q日本選手権はどんな気持ちで臨む
「相手がトヨタ自動車さんなので、昨年優勝してますし、チーム全員で昨年の優勝チームを倒せるように頑張っていきたいと思ってます」

Q四国銀行野球部の皆さんにもメッセージを
「本当にわがままな部分も見せてしまったり・・・(感極まり涙を流す)泣いてもうた・・・自己中な部分も見せてしまったりしましたけど、本当にみんな優しくて、同期がいなくて一人の中でも、田中さん(チームメイト)には、準備とか練習準備とか手伝っていただいて、日頃は恥ずかしくて言えないですけど、本当に感謝していますし、今回プロを目指すってなった時に誰も馬鹿にせずに、あんまり触れずにいてくれて、本当に嬉しかった。骨折して本当に『あぁ、もう終わった』と思った時も、亀岡監督が常に気にかけてくれて、僕の落ち込んだメンタルを保ってくれたっていうか。本当にもう皆さんには感謝してます」

Q四国銀行野球部への思いは
「四国銀行さんがとってくださったから、こうやってプロに行けてますし、もう常に四国銀行という看板を背負ってプレーしていきたいと思いますし、やっぱり僕が活躍することによって、四国銀行の名前も広まると思うので、そういう部分でしか貢献できないと思うので、頑張っていきたいです」

Q54年前に四国銀行からプロに入った弘田澄男さんも、宿毛出身で高知高校だが今もつながりはあるか
「弘田さんは今も練習に来てくださってて。いろんなアドバイスもくれるので、弘田さんのように活躍できるように頑張りたいと思ってます」

Q西武も春季キャンプの開催地として高知に縁のある球団だが、その思いは
「高知の人からしたら馴染みがある球団だと思うので、高知の人たちも元気づけられるように、高知のためにプレーしていきたいと思ってます。本当に高知の皆さんを元気づけられるようなプレーをするので、一人でも多く、野球に興味を持っていただいて、西武ライオンズのファンになっていただければ嬉しいです」

Qライオンズファンに一言
「私自身の一番の長所は足なので、本当にこう球場を駆け回る姿を見てほしいなと思ってます」

Q社会人野球で学んだことをどう生かしていきたい
「四国銀行自体が、野球部としても人数が限られてて多くないので、ポジションをいろいろ足りなくなったらそこを補ってというふうにやってるんですけど、プロに行ってもちょっとでも空いたポジションにすっと入っていけるように、常に準備をしていきたいなって思ってます」