居酒屋「お恵」は釜石市の名物といわれた飲食店街「呑ん兵衛横丁」で1963年に開店しました。

長年、地元の人や常連客に愛されながら営業をしてきました。
しかし、2011年の東日本大震災。

震災前には26の店が軒を連ねていた呑ん兵衛横丁は津波で全壊する被害を受けました。
震災の年の12月に仲間16人と仮設店舗で営業再開を果たしました。

仮設店舗での営業は7年に及びました。
店での話題は、街が好景気に沸いていた古き良き時代の釜石の話。

(菊池悠子さん)
「横丁の通りなんか人で歩けないんだから。人で歩けないんだよ。肩がぶつかるぐらい。車社会じゃないから。自転車だから。給料も茶封筒で立つくらいの給料だからね。今みたいに振り込みじゃないんだもん」

結局、呑ん兵衛横丁は集団移転のめどが立たず、歴史の幕を下ろしました。
(菊池悠子さん)
「この場所でなくても呑ん兵衛横丁の看板を下ろしたくないです。一人で頑張ってもどうしようもないけど一緒にやるっていう人がいるから。呑ん兵衛横丁という看板でやってみたいと思う」
