くだらないことで良いから、父親と直接会って話したい。
父・政治さんの声を知らない紀美栄さんにとって、それが一番の想いでした。
【川上紀美栄さん(84)】
「戦争によって、得する人なんかいないでしょう。一生その人が生きている限り、戦争による運命はついて回ると思いますよ。戦争で受けた傷は…その日が平和だということが本当にありがたいと思いますよね」

平和の尊さを教えてくれる125通の軍事郵便。
家族にあてた政治さんの思いは78年の時を超えて今の子どもたちにも伝わっています。参加した児童に話を聞きました。
―川上さんのお父さんはどんな人だと思った?
「勇敢な人」
「娘思いの優しい人だと思います」
【川上紀美栄さん(84)】
「(戦争について)語る人も記憶が薄れてくるし、少なくなってくるし、戦国時代の絵物語みたいになってしまうのではないですかね」

終戦後の父親がいない生活で、母親をはじめ家族がとにかく苦労したと話した紀美栄さん。若い世代が戦争と向き合う機会が少なくなる中で紀美栄さんは、これからも父の想いを受け継ぎ、若い世代へ伝えていきたいと思いを新たにしていました。