新潟県上越市に住む女性の父親が、戦地から家族にあてて送った大量の手紙=軍事郵便から、戦争の記憶をたどります。2年で125通に上った父の手紙。その内容や家族への思いに迫ります。
84歳の女性が伝える「戦争の記憶」
新潟県上越市の諏訪地区で行われた「子ども平和学習会」。地域の子どもたちに戦争に関するアニメや紙芝居などを通して、平和の尊さについて考えてもらうものです。

この会に参加している川上紀美栄さん(84)。年に数回、地元の小学校などで、戦争について考える話をしています。
【川上紀美栄さん(84)】
「子どもたちに限らず、皆さんだって分からないでしょう、戦争の体験はね。学校の先生や校長先生だって分からないと思うんですよ」

子どもたちが見ているのは、紀美栄さんの父親が戦地から家族に送った手紙です。当時、戦地から家族への連絡手段は手紙、軍事郵便のみでした。
「父だって、手紙送ってくれた時に私は字も読めない年齢だったので、果たして読んでくれるか、くれないか…そんなこと考えないで送っていたんでしょうね」