避難の「呼びかけ」をためらわないで!

一方、災害に詳しい、新潟大学 災害・復興科学研究所の卜部厚志教授は「夜間などに高齢者に避難を呼びかけるのは難しい判断」と理解を示す一方で、「呼びかけをためらわないで欲しい」と説明します。

新潟大 災害・復興科学研究所の卜部厚志教授

【新潟大 災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「夜に『高齢者等避難』を呼びかけて、高齢者を動かすことの危険ももちろんありますが、『知らせない』という方がもっと危険。知らせて、次の判断ですよね。情報の受け手は『夜だから、うちは移動できない』と次のステップになるわけで…」

その上で、施設側も行政の指示を待つほかにも自主的な対策ができると指摘します。

【新潟大 災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「行政の指示が来てから動こうという『マイタイムライン方式』ではなくて、施設として自分たちで基準を持つべき」

水害後、初の避難訓練…「どう効率的に避難する?」

あの水害を教訓に、施設側も高齢者の安全を確保しようと取り組みを進めています。

「こちら関川村です。大雨で洪水の恐れがありますので施設の方で避難の必要があれば避難してください」

この日行われたのは去年の水害以降、初めてとなる避難訓練。前回と同じく、夜間に浸水が起きたという想定です。

【館内放送】
「ただ今、大雨により洪水の恐れがあります。1階入居者は、ただちにエレベーターで3階に避難してください」