58年前に起きた「羽越水害」の記憶を継ぐ

胎内市でのイベントは3回目。きっかけは、中条グランドホテルで働く池田真一さんとの出会いでした。池田さんは、かつて東京の劇団で活動し、現在はホテルでの仕事のかたわら、読み聞かせや舞台演出などを精力的に行っています。

今回のイベントの核となるのが、池田さんが脚本を手がける朗読劇「あの日の記憶」。テーマは、1967年に胎内市を襲い、46人の死者・行方不明者を出した「羽越水害」です。当時の子どもたちの手記をもとに構成されていて、イベントには地元の小中学生や中条高校の高校生も朗読に参加します。

先日の練習で、池田さんは「手記を書いた子どもたちの学校に近い人たちに、リアルに演じてもらおうと思った」と子どもたちに説明。

参加した女子小学生は「羽越水害で亡くなった人たちのことも思ってやろうと思いました」と話し、記憶を伝えることの重みを真摯に受け止めています。