また“ニセ警察官”らによる特殊詐欺事件です。
新潟県長岡市に住む30代男性が今月9日、大阪府警の警察官をかたる男らに、現金90万円をだまし取られる被害に遭っていたことが分かりました。警察は「身に覚えのない『+(プラス)』から始まる電話は詐欺を疑ってほしい」と注意を呼び掛けています。

警察によりますと、9日に男性のスマートフォンに『+(プラス)』から始まる電話番号から電話がありました。電話は『総合通信局』を名乗る男からで、男は「電話番号が悪用されている。その番号の緊急連絡先としてあなたの番号が登録されていた。あなたの名前を教えてください」などと話したということです。

男性が住所や名前などを教えると、今度は大阪府警の警察官をかたる男に電話が代わり、「あなたに逮捕状が出ている」などと話したのち、メッセージアプリでの連絡を要求されました。その後、大阪府警の警察官をかたる男からは『捜索差押許可状』のような書類のほか、“詐欺事件の犯人”だとする顔写真が送られてきたといいます。

そして、“ニセ警察官”の男は「この顔に見覚えがありますか。口座を不正に利用している犯人です。あなたの口座も不正に利用されているかもしれない。お金の流れを確認するために、まず50万円を振り込んでください」などと話し、その後も現金を要求。

すっかり話を信じた男性は、自身にかけられた嫌疑を晴らすために合計90万円を振り込んでだまし取られたということです。その後、不審に思った男性は金融機関の職員に相談したところ、詐欺被害に遭ったことが分かったということです。

警察は、特殊詐欺事件として捜査するとともに、被害防止のため、以下の点に注意してほしいとしています。

・『+(プラス)』から始まる番号は海外からの電話ですが、心当たりのない番号からの電話は詐欺を疑って出ないでください。
・警察や検察がSNSやメッセージアプリを使って相手とやり取りすることは絶対にありません
・警察や検察が「差押許可状や逮捕状が出ている」などと電話で話すことは絶対にありません
・警察や検察が「誓約書」などをSNSでやり取りすることは絶対にありません
・「新しい口座に資金を移してほしい」「暗号資産に資金を移してほしい」などと「お金の話」が出たら詐欺を疑って、警察に相談してください
・インターネットバンキングのIDやパスワードは他人に教えないでください
・警察官を名乗るものから電話で捜査対象になっていると言われた場合は、詐欺を疑い、電話を切って最寄りの警察署や交番、駐在所に相談してください