これまで90年にわたり同じ釜を大切に使い続けてきましたが、昨シーズン、ついに寿命に…
藤井康代さん
「今ここにないっていうのが不思議な感じで、生まれた時からあったので、ずっとうちの味の要だった」

昔ながらの釜を使う蔵も、作っているメーカーも今ではほとんどなく、新しく手に入れること自体が困難な状況… 康代さんは、一時、釜を使わない製法に変えることも考えたといいますが、それを止めたのは寛さんでした。
藤井寛さん
「仮によそと同じように、ボイラーで大豆を処理するようなやり方を採ったら、そんじょそこらのみそ屋さんと同じになっちゃうから。うちらは“昔ながらの”っていうのをずっと大事にしているんだから」

そこで、釜を特注で製作してもらうことを決意。
クラウドファンディングに挑戦したところ、伝統を守りたいという強い思いが反響を呼び、目標額を大きく上回る500万円が集まりました。

藤井寛さん
「ありがたい限りですし、これからの100年に向けて、この和釜と一緒に頑張っていけたらなと」