酒やみそなどをつくる醸造業では、冬の寒い時期に仕込むことを“寒仕込み”と言い、上質に仕上がるとされています。今回は90年以上、変わらぬ製法で作り続ける新潟市南区の老舗みそ蔵に密着しました。東日本大震災、そして結婚を経て新たな挑戦に奮闘する夫婦の物語です。

午前4時―
あたりはまだ真っ暗ですが、蔵にはすでに明かりが灯っていました。

新潟市南区で93年続くみそ蔵『糀屋団四郎』。藤井寛さんと康代さん夫婦は5年前に、康代さんの両親から4代目を引き継ぎました。

藤井寛さん
「日中に、この忙しいのがかち合っちゃうと、お客さんが来た時にそっちも持っていかれてしまうので、だったら朝のうちに忙しいのを持ってきたほうがいいと…」

―大変だと思うが、慣れれば?
「そうですね、『今の時期だけだ』と思えば、乗り越えられるかな…」