20年以上にわたる悲願が叶い、2024年7月27日に世界文化遺産となった『佐渡島の金山』(新潟県佐渡市)。
直前まで行われた日韓の水面下での調整や、その後に見えてきた課題を探ります。

回顧2024『佐渡島の金山』
1月。
仕事始めを迎えた佐渡市役所では、渡辺竜五市長が「世界中から注目を浴びる年になる」と、力強い言葉で年始の挨拶を行いました。
「この世界遺産というのは非常に大きなチャンス…」

20年以上に及んだ世界遺産登録にむけた活動の末、『佐渡島の金山』については「今年の夏にも登録の可否が決まる」と言われていたのです。
そんな期待に沸く中で、不穏な動きもありました。
世界遺産委員会の委員国でもある韓国の動向です。

【尹德敏(ユン・ドクミン)駐日特命全権大使・4月当時】
「立派なところもあるんですけれども、マイナスの歴史もあるわけですから『全体の歴史』をなんとか表示できるような形でやる必要があるんじゃないかと…」
佐渡金山では戦時中に朝鮮半島出身者の“強制労働”があったと韓国は主張し、『全体の歴史』を表示することを求めました。