旅好きで全国各地を転々していた牛田さんが米農家として歩みを始めたのは7年前。「農家になりたい」という妻・詩歩(しほ)さん(36)の夢を2人で叶えました。

妻の詩歩さん
「山の中での暮らしというか、自然豊かなこの田麦での暮らしというのは、やりたかったことですね。だから、そこで暮らし続けるためにあらゆることを…」

自然に寄り添い、“手作り”の暮らしを求めて…
元々宿泊業に携わっていた牛田さんの独立する夢が重なり、農家民宿『うしだ屋』が誕生しました。

牛田光則さん
「なんで水が抜けないんだ?」

牛田詩歩さん
「2~3年さぼってたツケっていう感じなんですよ。怠るとこういうことになるっていう」

棚田の水路を確保するなど山間地ならではの苦労はありますが、ここでの暮らしを未来につなぐため、米づくりの体験ツアーを行ったり、地域の先輩から食文化を学んだり、と牛田さんは充実した毎日を送っています。

武田十九子さん(77)
「(ゼンマイを)こうやって揉んであげると、繊維が切れるんですよ。それで柔らかくなる」

牛田光則さん
「こういう山菜とかだって、僕ら素人がただ山に行けば採れるというわけじゃなくて、やっぱりちゃんとその“採り頃”だとか、それをどう戻して味付けすれば美味しいとかというのは、全部代々培われてきてる技術なので、教えてもらわないと引き継いでいけないので」

武田十九子さん
「いや~都会から来てね、もうすぐここになじんで。ムラを助けてもらってます」

牛田光則さん
「なに言っているんですか(笑)」
「あと5年、10年後そういう文化をどれだけ残せるか。何とかそういうものを繋いでいけるようにしたい」