建物の修復を始められないでいる原因は、店の裏にある「擁壁(ようへき)=土留め」にありました。

このエリアはJR越後線が走る高台の裾野に位置していて、敷地の裏には土砂崩れを防ぐための土留めが設置されていますが、能登半島地震によりこの土留めには、ヒビが入ったり傾いたりしました。

そこで新潟市では土砂災害の恐れがあるとして、1月3日に西区大野と寺尾の一部19軒に避難指示を出し、その避難指示は今も継続しているのです。避難指示の解除に向けて進みたいところですが、すぐには取り掛かれないある事情がありました。

【soleede 八幡雅史社長】
「今回、行政とかが介入して工事をする部分がある可能性があるので、そのあたりがやるやらないがはっきりしないと、こちらの作業が進められないという状況…」

土留めは私有地にあるため、本来は土地の所有者が工事を行うことになっており、新潟市ではそのための補助制度も設けています。
ただ今回は、土留めが崩れた場合には隣接する公道にも被害が及ぶ恐れがあることから、新潟市が一部の工事を行う可能性があるというのです。

【新潟市西区 水野利数区長】
「国と県のがけ崩れ対策事業があります。それを新潟市が申請して採択されれば、対策事業を使って工事ができる」

この土留めの工事が終わらない限りは避難指示が解除できないため新潟市では、この対策事業の活用について国や新潟県と検討を進めていますが、まだ結論が出ていません。

「工事着手は見通しがないです。避難指示解除の目途も、今のところはまだ分からないです。こちらとしては一刻も早く解除できればと思っています」