終戦から77年。各地で平和への誓いを新たにする中、新潟県内でも少年飛行兵への入隊前に終戦を迎えた人が慰霊碑に祈りを捧げました。
77年前の8月15日、日本は終戦を迎えました。
新潟市中央区の護国神社にある慰霊碑に黙とうを捧げる一人の男性の姿がありました。小出公司さん(90歳)です。

【小出公司さん】「この国に住んでる親、兄弟、親戚の人たちを俺が守るわ。そのためには俺がやはり命を投げ出してもいいんじゃないかなという気持ちで、死んでしまう覚悟で」
小出さんは13歳のとき旧陸軍の少年飛行兵の試験に合格。ただ、入隊の知らせが来る前に終戦を迎えました。
県内だけでも当時15歳以上の若者400人以上が少年飛行兵となり、97人が戦死したといわれています。
多くが、敵機に自ら突っ込む「特攻」で命を落としました。

【小出公司さん】「亡くなった先輩方が守ってくれたからこうやって生きながらえたと思うんです。その私の気持ちを汲んでくれて長生きさせてくれたんだなと思って感謝する気持ちでいっぱいです」
15日に慰霊碑に手を合わせたのは小出さんひとり。かつては20人ほどが集まっていただけに複雑な心境です。
【小出公司さん】「次の世代に(戦争の悲惨さ)つなげていく人はいつかいなくなるんですね。これはしょうがないんじゃないんですかね」

またロシアのウクライナ侵攻というニュースを見て小出さんは改めて戦争の無意味さを痛感したそうです。
【小出公司さん】「命を奪い合うわけですから。命の奪い合いの戦争は避けるべきでしょうね」

小出さんは平和への思いを忘れずにこれからも祈りを捧げ続けます。