板画で開花した“独自の世界”

志功の孫・石井頼子さん
「青森で写生ばかりしていた時代がある。サクラも松も竹も、そのまま、なにも見ないで描ける状態になっている。なにも見ないでアレンジすることができる。その力を青森で培って、そのまま一生の宝物として持ち続ける」

ふるさと・青森を土台にしながら志功はあくなき探求心で板画の新たな可能性を切り拓き、時代を駆け抜けていきます。

棟方志功
「日本の魂が日本の国土から生んでいく一つの世界を(海外で)見てくれる。世界全部に、日本でなくてはならない清い世界を大いに仕事していきたい」

青年時代、ゴッホのような画家になることを目指した志功は板画で独自の世界を花開かせ「世界のムナカタ」としてその名を轟かせていきました。

故郷への回帰「東北、やませの風を背負った大きい東北の命がけを土台に、世界のどこにもない。そういう美術のあり方を表現する」【生誕120年・板画家 棟方志功】#4(最終回)