通常、冬眠の時期とされる1月、青森県弘前市で雪山を走り回るクマが目撃されました。県内では2025年に入ってクマの出没情報が6件あり、専門家は「今後は、冬眠しないクマが1年中出回る可能性がある」と注意を呼びかけています。

雪山を勢いよく駆け降りる動物。よく見ると…「クマ」です。
途中、走る速度を落として、なおも雪をかき分けながら山を降りていきます。

弘前市によりますと、この動画が撮影されたのは1月13日です。

クマは、岩木山にバックカントリーで入った人が標高約1100mの焼止小屋周辺で目撃し、撮影したということです。

日本ツキノワグマ研究所 米田一彦 理事長
「体長140cmぐらい。120kgぐらいあります。かなり大きなクマで高いところで越冬するのは大きいクマが多いんです。(2024年は)ドングリ類が豊作だった。栄養状態が非常にいい。そうすると皮下脂肪が厚くて寒さに耐えられる」

クマは通常、1月は冬眠する時期とされています。
ただ、専門家は気温が高くなった場合には、冬眠しなかったり、冬眠から目覚めたりするクマもいるとしています。

クマが撮影された13日の弘前市の平均気温は0.1℃。平年と比べると1℃以上高くなっていました。

日本ツキノワグマ研究所 米田一彦 理事長
「雪崩で(クマが)越冬する穴が破壊される場合、豪雪の時によくある。そうすると慌てて次の穴に移動する。あるいは異常に暑い日が続いた場合、安定しないから高い所に移動することも起こりうる」

この冬、北海道や東北ではクマの目撃が目立っています。2024年12月下旬、福島県喜多方市では雪が降る中、クマが人里に出没し、住宅の中に居座ったあと、捕獲されたケースもありました。

日本ツキノワグマ研究所 米田一彦 理事長
「これからは避けて通れない。東北では青森県まで。ここはもうずっと1年中豊作でも凶作でも(クマが)平野部に出てくるというのは起こります」

県によりますと、2025年に県内ではクマの出没情報が既に6件あり、2024年を4件上回っています。

弘前市は「クマを見かけたら距離を取って刺激をしないよう」注意を呼び掛けています。