※石岡明沙実さん「(これまで)父の店を一緒にやってるって気持ちでやってきたんですけど、やっぱり去年一旦、夏にお店継続できないかもしれないっていう状況になって、自分がお店を変えて続けていけるように引っ張っていきたいなっていう気持ちが強くなった」

2005年の町村合併で誕生した外ヶ浜町の人口は、当時約9000人でしたが、2022年は6割ほどの5500人にまで減少。町民の8割以上が生活用品や食料品を青森市などで購入するなど、地元での買い物客の減少は加速し続け、店の売上げはピーク時の3分の1以下にまでなったと言います。そして、これに追い打ちをかけたのが店舗設備の老朽化でした。

※石岡明沙実さん「修理できない冷蔵ケースとか買い替えるしかない状態の冷蔵ケースがたくさんあって、そもそもの電気代がすごく値上がりしたので、売り上げに対して採算が合わなくなってしまった」

この逆境の中で石岡さんが出した答えは、新たなアイデアのもと事業を継続することでした。

※石岡明沙実さん「(これまで)冒険することができなくて、その分の”溜まった思い”を一気に出したい。マツオスーパーに来たら、これを買うみたいな物を商品として作りたかった」

その「溜まった思い」は様々なアイデアとして、ホタテドッグの開発へとつながっていきます。

石岡さんはあえてスーパーの売り場面積を半分に縮小し、空いた空間を交流スペースに改装します。週末には地元商店街のコーヒー店や菓子店が出店するほか、不要な図書の寄付を募って憩いの場を充実させました。あふれるアイデアが地元以外の客層の獲得にも功を奏しました。

こうした中誕生したマツオのホタテドッグ。午前10時に店頭に並びます。

今やマツオスーパーの看板商品に

※購入客は「(購入するのは)2回目です」「1つ下さい。食べるの楽しみです」

※石岡明沙実さん「びっくりしました。若い方が来ていただいても、買うものがないって帰っちゃうことが結構これまであったので。食べてファンになって、これを目指して県内・県外からも、たくさんのお客様が来て下さればうれしいなと思っています」

経営の継続を模索することで生まれたホタテドッグ。スーパーマツオの再出発は、地域の活性化にも一役買っています。

ホタテドッグいかがですか?