これまでに降り続いた雪で、除排雪が追いつかずに市民生活に影響が出ています。青森市では雪を流す「流雪溝」が設置されている地区がありますが、この冬使うことができなくなり、対応に苦慮している所が出ています。

雪が降り続く青森市
青森市久須志に行ってみると…



※レポート高山基彦キャスター
「青森市久須志です。昨シーズンまではこちらの流雪溝は稼働できていたのですが今シーズンは稼働を中止しています。ご覧のように水がありません。本来であれば水位が20~30センチあったということです」

流雪溝には水が流れておらず

万太郎堰(まんたろうせき)から千富町(せんとみちょう)や久須志(くすし)、千刈(せんがり)など約1.2キロを通る浪館流雪溝が今シーズン稼働してしないため、住民たちの負担が増しています。

使えない流雪溝のエリア (c)Google Earth

※住民は
「流雪溝があると1時間くらいで終わる作業が、ソリで運ぶなら倍かかっちゃう」

1991年に青森市によって整備され、地域住民で作られた「浪館流雪溝利用管理組合」が管理と運営にあたってきました。昨シーズンは70代の組合長と80代の役員が巡視員として毎日、手動で取水ポンプの稼働や停止を行うほか、水門にたまったごみを取り除く作業をしていましたが…。

※住民は
「組合長が体調悪いから代わりを求めて色々探したけど、なかなか見つからなくてそれで今年になった」

組合員の高齢化に加えて担い手も見つからず、流雪溝が稼働できない状態に。それでも住民たちは近くに雪を捨てる場所がないため、溢れない程度に流雪溝を使うなどの対応を強いられています。

※住民は
「どうせ使えるか分からないけど、流雪溝に雪を投げ込んでおけば空洞の温かみで溶けるんじゃないかと」

※住民は
「(Q去年のような大雪だと?)それは全然ダメでしょう。これは慰めみたいなものだ。中には「これでも良いか」という人もいるかも知れないけど」

流雪溝の運用について青森市は、次の担い手を募る方法を利用管理組合と共に考えるなど協力していきたいとしています。

※青森市道路維持管理課 武田泰孝課長
「この流雪溝は地域の雪処理に有効な手段の一つで大切な財産と認識していますので引き続き利用が可能となるよう地元と一緒になって市としても協力しながら考えていきたい」

しかし、いまのところ具体的な解決方法は見つかっていないため、少なくとも今シーズンは、この状況が続く見込みです。