東京五輪を巡る汚職事件。かぎを握る高橋治之被告が事件後、初めてテレビのインタビューに応じました。「賄賂」を否定した一方で、東京五輪を巡る自らの功績を語り、無罪を主張しました。

「賄賂だ収賄だとか言われることは全くお門違い」

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元理事 高橋治之被告(79)
「別になんとも思わないよ。競技場に恨みがあるわけじゃないし」

東京大会招致の立役者」とも言われた人物は、国立競技場を前にこう話しました。

広告大手「電通」時代の人脈を活かし、大会組織委員会の理事を務めていた高橋被告。

大会のスポンサー契約などをめぐり、便宜を図る見返りに5社から総額約2億円の賄賂を受け取った罪で、現在、裁判が続いています。

高橋被告
「オリンピックに貢献していきたいと思っていただけで、これが賄賂だ収賄だとか言われることは全くお門違い

企業から受け取ったのは「正当な報酬」だとして、無罪を主張している高橋被告。

しかし、カネを渡したスポンサー企業側の裁判では、「賄賂」と認定され、有罪判決が相次いでいます。

大会組織委員会のトップだった森喜朗元会長は特捜部に対し…

大会組織委員会 森喜朗元会長(86)
「高橋さんにスポンサー集めなどのマーケティングを担当してもらうことにした」

森元会長の供述に添うかたちで、初公判で検察は「高橋被告にはスポンサー集めなどの権限があった」と主張。

組織委員会の理事は「公務員に準じる」立場で、企業からの金品は賄賂に当たる可能性がありますが…

高橋被告
「すべて森会長に全権委任しますって、理事会で決めているんですよ。それがなんで僕が担当理事でした、なんて言えますか。ですから『それは(森)先生、勘違いでしょう』。森先生に出てきていただきたい、法廷にですね。ここではっきり間違っていたとおっしゃってくださいと」

スポンサー集めの職務権限はなかったと話し、森元会長の供述をめぐり争う姿勢を示しました。