実名で性被害訴えるも…「嘘付いてませんか?」「金目的?」ネットでは誹謗中傷

亡くなった男性の妻
「出会ったときに『(ジャニー氏は)どうだった?』って聞く程度で、『ちょっと襲われかけて蹴って逃げた』みたいな軽い感じで、ふわっとした感じしか聞いてなかった。そのときは被害も軽く済んでいると思っていたし、日も30年近く経っているから、そんな大きな話じゃないと思っていた。あとからです、知ったのは」

男性がジャニーズ事務所に電話で被害を訴え出たのは、2023年5月。何らかの対応を求めたが、事務所から返事がないと話していた。

そして2023年9月、妻の反対を押し切り、実名で被害を訴え始めた

亡くなった男性の妻
「『絶対名前と顔は出さないで』って、ずっと言っていた。信憑性がないとか、信じてもらえないから名前も顔も出した方がいいという本人の考えだったみたい。そこから誹謗中傷も増えていった」

SNS上には誹謗中傷の言葉とともに、男性と家族の個人情報が瞬く間に拡散された。

実際にあった投稿
「嘘付いてませんか?」
「金目的?って言われても仕方ない」

亡くなった男性の妻
「『この人は詐欺師だ』とか『お金狙いだ』とかばっかり載っていた。名前、電話番号、住所、子どもの写真も載った。それは弁護士さんに消してもらって。主人もある程度の誹謗中傷は覚悟していたと初めは言っていたが、家族の写真とか名前とかいろいろ書かれるので、どんどん自分だけじゃなくて周りを苦しめていくと気にしていた。『これだけ言われ続けて生きていくぐらいだったら死んだ方がまし』と言っていた」

それでも男性は、妻に性被害の苦しみは語らず、普段通りに生活していた。実は、この苦しみを20年前に打ち明けられていた友人がいる。