「1時間10万円」支出? 二階氏の「政策活動費」に矛先

岸田内閣の支持率、そして自民党の支持率がともに最低を更新しているのは、今回の「政治とカネ」の問題をめぐる政権と自民党の対応に原因がある。
派閥パーティーにおける収支報告書への不記載に端を発しているものの、とくに5日から始まった本格的な国会論戦で主要なテーマの一つになったのは、それとは直接関係のない「政策活動費」についてだった。「政策活動費」とは政党から直接議員本人に渡される金で、使途を明らかにする必要がない。選挙応援や国会対応などの政治活動に使えば非課税だが、使い切らないと課税対象になるため、野党側は脱税の可能性を指摘している。

とくに歴代最長の幹事長を務めた二階元幹事長が就任していた5年間でおよそ50億円が支出されていたという。現・茂木幹事長も22年におよそ10億円を1年で受けとっていたため、だいたい1年で10億円の支出が「相場」と言えるかも知れないが、あまりに巨額だ。

一般的に政策活動費は「党勢拡大や政策立案、調査研究」のために使用されるということだが、使途公開を迫る野党に対し、岸田総理は「政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で議論が行われ、現在の法律に至っている」と後ろ向きな答弁を繰り返している。
再三、二階元幹事長に、何に使ったか問い合わせるよう求められても、「確認するまでもなく、適切に使用されているものと認識している」とまるで性善説のような答弁を繰り返す。

「二階(元)幹事長ね、5年間、365日24時間、雨の日も晴れの日も寝てるときも起きてるときも、1時間ごとに10万円。ひたすら政治のためにお金を支出し続けた。あり得ますか。あり得ないですよ」

2月6日。衆議院・予算委員会で答弁に立った立憲民主党の米山隆一議員は、強烈に皮肉った。
5年間で50億円支出することは、平均1時間に10万円を毎日支出し続けなければ到達しないという計算だ。しかし総理は、「全額、政治活動のために支出しているものと認識している」と答弁した。

これほど巨額であっても公開する必要のない「政策活動費」。
今後どうすべきか、今回の世論調査で聞いた。

廃止を求める声は25%にとどまり、使途を公開するよう法改正をのぞむ声が非常に多かった。政策活動費そのものは認めつつ、使い道を明らかにして欲しいというのが圧倒的な民意だといえる。