「青木の法則」“50”を切ったのは3つの政権だけ

内閣支持率が下落しても、自民党の支持率が安定していれば、政権はそれなりに維持できるといわれている。その指標のひとつが、いわゆる「青木の法則」だ。内閣支持率と与党第一党の支持率を足して「50」を切れば、時の政権は危険水域になるという、去年亡くなった青木幹雄元官房長官が提唱した法則だ。

JNN世論調査では岸田内閣発足後、初めて内閣の支持率(23.7%)と自民党の支持率(24.4%)の合計が「50」を切った。

これがどれだけのことか。非自民連立政権後、自民党が政権を奪取した1996年1月の橋本龍太郎総理以降、検証してみたところ「青木の法則」で「50」を切った内閣は、この28年間で3例しかない。

①1998年10月の小渕内閣(内閣支持率23.2%+自民党支持率25.4%)
②2000年6月の森内閣(内閣支持率22.6%+自民党支持率23.8%)
③2009年7月の麻生内閣(内閣支持率21.6%+自民党支持率27.6%)

そして今回の岸田内閣(内閣支持率23.7%+自民党支持率24.4%)だ。
ちなみに小渕内閣は、政権発足直後の支持率が低く、その後評価が徐々にあがっていくという非常に珍しい内閣で、この「50」を切ったのは政権発足して2か月後の98年10月のたった1回だけだった。「青木の法則」で「50」を切るというのがいかに異例なことかがわかる。
なおJNNの世論調査は過去、携帯電話を調査に加えるなど調査方法を変更したことがあり厳密な比較とはならないことは付しておきたい。