高さ13メートルの津波が原発を襲う
女川原発では、地震後全ての原子炉が設計通りに自動停止しました。

しかし、外部電源の5つの送電線のうち4つが使えなくなったほか、1号機の高圧電源盤から火が出てボヤが発生。また津波による水位上昇で取水口から海水が流入し、8台の非常用ディーゼル発電機のうち2台が使えなくなりました。敷地を襲った津波の高さはおよそ13メートルに達しました。

女川原発の元作業員 今野寿美雄さん:
「あそこに小島があるじゃん。あれがすっぽり、津波が来るときにのまれちゃったんだよ」

今野さんも敷地の高台から津波を見ていました。
女川原発の元作業員 今野寿美雄さん:
「ずっとあの水平線の向こうから、ダーッと。先っぽは白波なんだよ。でもその下は黒いんだよ、津波は」

当時の敷地高は海抜14.8メートル。地震で1メートル地盤沈下したものの、あと80センチのところで津波を防ぎ、原子炉は冷温停止しました。大事故を起こした東京電力福島第一原発とは対照的な結果になりました。その理由は何だったのでしょうか。