謎を秘めたまま今日まで来ている石塁。もう1つ“謎”があります。
弧を描いた形に配置された石塁ですが、1か所だけ「クランク」状になっているのです。

このクランク形状が戦国時代の砦を囲む壁のように見え、これが戦国時代の防御施設ではないかという根拠にされることもあります。
しかし、「クランク」状になっているからと言って城壁をまねたわけではなく、これだけ巨大な構築物なので、東側から造ってきたグループと西側から造ってきたグループの接点となる場所がずれてしまった。そのために、辻褄を合わせるためにずれた部分を繋げたという可能性が考えられます。

また他の理由としては、その場所は窪地になっているために、地形に合わせて石塁を曲げる必要があった可能性もあって、断定ができない難しいところがあるのです。

いまだに謎を含んだ「石塁」
この「石塁」は東海自然遊歩道に沿って見学することができます。

=なお、青木ヶ原樹海は国の天然記念物であるため、遊歩道を外れて立ち入ることは禁止されていますので注意して下さい=