兵庫で出会った愛媛県警

2024年1月8日の午後。出先から愛媛に戻る道中、兵庫県の中国自動車道・西宮名塩サービスエリアに立ち寄り休憩していた。
すると、見覚えのある警察車両が次々やってきた。赤色灯を乗せた白と青色のツートーンカラーで、機動隊の特殊車両であることは、すぐにわかった。ナンバーに目をやる。愛媛県警だ。降りてくる隊員たちの中には、見覚えのある顔もあった。思わず声を掛けた。
「能登からの帰りですか?」
隊員たちは頷いた。
「お疲れ様でした」
そして、半ば無意識に言葉が続いた。
「ありがとうございました」
どこか、心に引っ掛かっていた、距離を言い訳にして、何もできずにいる不甲斐なさがあったのかもしれない。
兵庫の高速道路で、偶然に出会った愛媛県警の機動隊員らは、いつにも増して頼もしく映った。

広域緊急援助隊として、救助工作車などを伴い、1月4日に愛媛を出発して、翌5日から7日までの3日間、被害の大きかった石川県珠洲市内で捜索活動などに当った、その帰り道だったようだ。
「現場で待っている人を、自分の家族だと思え」
現場で指揮をとる幹部は、隊員たちに対して、そう呼び掛けたという。