当時多かった旧耐震基準の建物 その想定を超える揺れだった

 民家の1階が避難する間もなく突然潰れてしまう。何が起きたのか。それは『層崩壊』です。

 兵庫県三木市にある防災科学技術研究所が行った実験映像を見せてもらいました。実際に震災当時に兵庫県にあった住宅を移築。1つはそのままで、もう1つは耐震補強を施したものです。
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 阪神・淡路大震災と同じ規模の揺れが起きると、耐震補強なしの家屋は大きく揺さぶられて壁や柱が崩壊、1階部分が一気に潰れてしまいました。この現象が層崩壊です。

 (防災科学技術研究所 福井弘久研究員)「1階の柱や壁の体力がないことで層崩壊が起きる。瞬時に逃げる時間もなく壊れるという壊れ方が層崩壊です。旧耐震基準では震度5強に耐えられる建て方をしていたが、阪神・淡路大震災は震度6強の揺れだったので、計算上の想定外」

 阪神・淡路大震災で倒壊した多くの建物は旧耐震基準の震度5強を想定して建築されていました。1981年に建築基準法が改正され、「震度6強から7でも人命を損なうような倒壊をしない」という新耐震基準が定められ、それを満たした民家はほとんど層崩壊を起こしていませんでした。

 (防災科学技術研究所 福井弘久研究員)「1981年以降の建物であれば震度6強が起きても人命を守るという設計のしかたになっているので、私の知るかぎりでは層崩壊は起こらないと思われます」

 しかし、新耐震基準を満たしていても、一度大きな地震を受けた建物は安心できないといいます。

 (防災科学技術研究所 福井弘久研究員)「熊本地震の場合は、新耐震基準の後に建てられた建物でも、1回目の地震は耐えたのですが、2回目で大破してしまった例があります。一度経験したからといって2回目も耐えられるということはないと、きちんと理解しておくことが大事だと思います」