現地ガイドを交え “平和のためにできること”ワークショップ

新たに立ち上げた「長崎SDGs平和ワークショップ」は、被爆の実相に触れた上で『平和のために自分たちができることは何か』グループごとにテーマを決めて議論し、行動計画を立てる内容です。

ホテルや旅館のスタッフ自らも子どもたちが議論を深めるのをサポートするガイド役を務めるため、いまの教育方針や議論を進行するコツを研修で学んできました。

稲佐山観光ホテル 老松健三 総支配人:
「私ども観光事業者もできる限り携わって、地元の人間がそういった思いを伝えるっていうのは非常に大切なことだと思いますし」

修学旅行生に被爆遺構を案内している長崎国際観光コンベンション協会の『ながさき平和ガイド』にもワークショップにかかわってもらい、昨年度から実施しています。

ながさき平和ガイド 吉田政和さん:
「放射線の威力がどれだけ凄いかというとですね、ここから半径1キロメーターの屋内にいて怪我をしてない人も、そのうちほとんどの人が亡くなったんですね」

大人になった自分たちに何ができるのか 2030年の世界

この日は、静岡県立藤枝東高校2年3組の40人が、被爆遺構めぐりと原爆資料館の見学後に「長崎SDGs平和ワークショップ」に臨みました。

ワークショップの会場は宿泊先。
タイトなスケジュールの中、効率よく時間を使えるメリットもあります。

ながさき平和ガイド 市丸浩さん:
「(2030年には)殆どの方が23歳か24歳になってます。その時に自分がどういう風なことができるかということを考えて頂きたい。で、行動に移して頂きたいと」

プログラムは90分間。まずは平和のために取り組むテーマを班ごとに決めます。この日は、5班のうち2班のガイドをホテルのスタッフが担いました。

稲佐山観光ホテル 老松健三総支配人:

「それぞれ何枚でもいいので。一つでもいいです。何でもいいです(自分の考えを付箋に書いてください)。全部正解です」

自分の考えを付箋に書いていくスタイル。発言するのが苦手な生徒も意見を出しやすいようにしています。

挙がった意見はグループ分けして整理し、テーマを導き出します。
3班が考えたテーマは『平和のための話し合いに核兵器を持ち込まない』

そして、テーマを実現するために自分たちができることを議論していきます。

生徒:
「きょう(長崎で)見て、自分が知らなかったことが多くあったから、その見たこととか感じたことを家族や後輩に伝える」

生徒:
「小さい頃から平和に対しての教育を子どもたちにしてあげられるといいと思いました」