4日間の取材で3つの課題を感じました。

1つ目は道路の復旧です。


能登へと続く山道では複数の土砂崩れが発生していて、通行可能な主要道路は至る所で渋滞が発生します。

ところどころに段差や亀裂があり、金沢から通常で2時間かからない道のりも倍以上の4時間以上かかりました。

土砂崩落により、未だ孤立している集落もあります。

避難所ごとに物資や環境の格差も生じていて、まずは幅広く支援が行き届くよう道路の復旧が大きな課題です。


課題の2つ目は断水によるトイレの問題です。

輪島市内の道の駅のトイレは、水が流れないため、大量の排泄物が溜ってしまっていました。

避難所には移動式の水洗トイレなどが届きはじめていて、避難する人からは喜びの声も聞かれました。

しかし、まだまだ足りておらず、仮設トイレさえない避難所もあって、衛生面や感染症への影響が心配されています。

今後の災害に備え、非常用水洗トイレの普及が必要であると感じました。

そして、課題の3つ目は災害関連死についてです。

災害関連死とは被災後の避難生活での持病の悪化やストレスなどで死亡した場合に認定されます。

今回の地震では、12日時点で、石川県内で、すでに14人が亡くなっています。


避難所には多くの医療チームが派遣され、健康管理にあたっていますが、取材した薬剤師によりますと、薬が足りていないことなどから、重い病気ではなくても時間が経過すると病状が悪化してしまうといいます。

命を守るためにも環境が整う二次避難所の拡大も急務となりそうです。

今回被災された多くの方からお話を伺いましたが、悲しみや不安、ストレスを抱えながらも、「この現状の伝えて欲しい」と、取材に応じて下さいました。

多くの組織で懸命な支援活動も続けられていますが、1日でも早く、課題の解消、復旧が進むことを願うとともに、県内でも起こり得る災害に備え、これからも情報を発信していきたいと思います。