能登半島地震による津波の被害を受けた新潟県 上越市の海水浴場が地震前と比べて海岸線が沖へ前進し、砂浜が広くなっているのではないかと専門家が指摘しています。

元日の地震により津波の被害を受けた上越市のなおえつ海水浴場。砂浜には、建物の残骸や漂流物が散乱しています。

【記者リポート】「海水が来るギリギリのラインまで来ましたが、だいたい40メートルほど先に波消ブロックがあります。確かにこの距離は近いように感じますね」

この砂浜の異変を訴えるのは、海岸工学に詳しい長岡技術科学大学の犬飼直之 准教授です。
【長岡技術科学大学 犬飼直之 准教授】「去年7月の映像よりは海岸線が少し前進しているような感じ」

震災前の地形と比べてみると、震災後は海岸線が沖へ前進しているのが分かります。もちろん季節によって潮の満ち引きはあるものの犬飼教授によると、これほど前進した例はないということです。

【長岡技術科学大学 犬飼直之 准教授】「このような地形変化が起きたのは津波の影響もありますし、地震の影響といえばそうですね」
この海岸をよくランニングしているという男性に聞くと…
【地元の人は】「なんか向こうのテトラポットもなんかちょっと違うような気もするな。こっち(海岸)へ来ているような気もする」

その原因について犬飼准教授は…

【長岡技術科学大学 犬飼直之 准教授】「砂が移動してきて堆積したのではないかと考えています。地震によって地盤が隆起して海岸線が前進したとかそういうところまではいっていないと考えています」

地震による海岸の隆起ではなく津波で海底の砂が堆積したことが原因だということです。
一方で…
【長岡技術科学大学 犬飼直之 准教授】「波の現象は今回の地震でも変化はありませんのでまた元の地形に戻っていくようなことが一般的には多いのかな」

津波により被害を受けたなおえつ海水浴場。海岸の地形も建物も一刻も早い復旧が待たれます。