震災から9日、土砂が流れ込み、道路が寸断された影響で、いまだ695人が孤立状態にある石川県輪島市・鵠巣地区。急な斜面に自衛隊や地元住民らが並び、手作業で物資を運び入れていました。電気も水道もない“孤立地区”の今を取材しました。
急斜面を運ぶしか…約700人が“孤立”の地区

電柱が傾き、道路に亀裂が入った石川県輪島市。土砂が流れ込んだこの道路の先に、孤立した鵠巣地区があります。
寸断された道路の脇を進んでいくと…

急な斜面に自衛隊や地元の住民らがずらりと並び、孤立した地区に物資を運んでいました。
鴻巣地区の住民
「地区の体が丈夫な人達が、みんなで運ぶ感じですね」
Q.毎日運んでいるんですか?
「そうです」
現状、鵠巣地区に入るにはこの海岸線の斜面を通るルートしかなく、こうした物資の運搬が1週間も続いています。
藤森祥平キャスター
「鴻巣地区に取材に入ります。道路が激しく隆起して、ひび割れて、家は今にも傾きそうです」
至る所に地震の爪痕が深く刻まれていました。
取材中に出会った80代の男性。
避難する住民の男性
「携帯の電波が悪い。一本しか立たん」
これから、妻とともに、金沢にいる家族の元に避難すると言います。ただ、妻は地震の際に腰を痛め歩くのもままならない状況に…
消防隊
「今からこれ乗ってもらって、ちゃんと運ぶので安心してください」
「はい、大丈夫ですよ」
消防隊が、女性を担架に乗せ、海岸沿いの斜面を運ぶことになりました。
藤森キャスター
「足元、非常に雨もありましてぬかるんでいます。ゆっくりとレスキュー隊が担架を運びながら降りていきます」
男性は、妻の搬送を見送り、愛犬とともに斜面を下って行きました。

道路の復旧が進められているものの、依然、2750人が孤立状態にある輪島市。この鵠巣地区だけでも695人が孤立していて、小学校のほか、近くの旅館や保育所などに、身を寄せ合って避難を続けています。

















