元日を襲った能登半島地震です。発生6日目を迎えても、建物に閉じ込められたまま救助を待つ人がいて、安否不明者も増え続けています。なぜ被害は拡大したのか。被災地を取材しました

倒壊・津波・火災…壊滅的な被害

地震発生から3日後の1月4日、大きな地割れや土砂崩れを避けながら石川県珠洲市に向かった。

膳場貴子キャスター
「この先まで津波が来たと避難している方が教えてくださいました。家の傾きからして、おそらく、この家並みの向こうまで津波が来たのではないでしょうか。

膳場キャスター
「すみません、この奥ってどうなっていますか?」

男性
「ぐちゃぐちゃ、海まで行けません。3日に来た、やっと道が通って(珠洲市)飯田町から来た。全く来られなくてきょうやっと来た。ひどいです、地獄です」

膳場キャスター
「ここから先は屋根を乗り越えないと行けません。道が完全にふさがっています」

珠洲市では震度6強を観測。

避難する人々
「信じられんわ」

多くの家屋が倒壊、壊滅的な被害を受け、犠牲者の数は増え続けている。

古い民家が建ち並ぶこの地域は、何度も地震に見舞われてきたことから傷んでいる家が多い。そこに今回の地震が襲ったのだ。

膳場キャスター
「被災の状況を確認しに来ている消防隊員の方がいらっしゃるんですが、重機や車が入れないので、救出活動も本格的には行われていないのがわかります」

生き埋めになっている知人を心配する女性の姿も。

女性「ここ、一人暮らしの」
隊員「まだ顔見てない?」
女性「と思います」

膳場キャスター
「残っていた方は多いですか?」
女性
「はい。ここの奥さん友達、一人暮らしで出られない」

女性の自宅も崩れ落ちていた。

膳場キャスター
「家から出たときはもう家はつぶれてしまっていたんですか?」
女性
「どこから出たかわからん」

膳場キャスター
「家がつぶれてから逃げ出すまではあっという間だったんですか?」
女性
「あっという間、こんなこと初めて」

大学生の孫が屋根の上に登り、父親と荷物の運び出しをしていた。

膳場キャスター
「ここは間口が開いていたんですか?」
女性
「壊して入りました」

作業にあたっていた父親は消防団員だ。

消防団員の父親
「ほとんど人が生き埋め状態になっている。重機でやらなきゃ助けられない。すぐ横におばあちゃんもいるけど反応がない。埋まっているのは確認しているが出せない、人の手では出せない」

こうした中、地震発生の翌日から支援活動を続ける団体がある。「空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”」だ。医師や看護師、レスキュー隊員などで編成されたARROWSは、東日本大震災以降、多くの被災地に赴き、医療支援をはじめ物資の配布や避難所の運営などを行っている。

この日は消防と連携して倒壊家屋に取り残された女性の救出作業を行った。