今月13日に実施される台湾総統選挙。選挙戦は終盤に入ってきていますが、年末のテレビ討論でも最大の争点の1つ、中国との関係をめぐり論戦となっています。

記者
「頼清徳候補が会場入りしました。もはや何のイベントか分からなくなるほど異様な熱気に包まれています」

年末の台北市。与党・民進党の頼清徳候補が決起集会を行い、蔡英文総統も応援に駆けつけました。集会への参加は先着順で、チケットはわずか2分程度でなくなったということです。

一方、最大野党・国民党の侯友宜候補も、台湾総統府前で大規模な集会を決行。党によると、およそ5万人が集まったとされます。

12月30日、各候補が出席した「テレビ討論会」の中継を見ていた市民は。

台北市民
「争点は台湾と中国の関係についてですね」

総統選に立候補している3人は、いずれも「独立」や「中国による一国二制度」には反対し「現状維持」を主張してはいるものの、与党の民進党が中国と距離を置くのに対し、野党側は融和的な方針です。

討論会ではこんなやりとりがありました。

与党・民進党 頼清徳 候補
「2人に聞きたい。中華民国(台湾)と中華人民共和国は隷属関係にあるんですか」
野党・国民党 侯友宜 候補
「中国本土は台湾の独立に反対で、すでに台中関係は緊張状態だ。あなたは独立を主張しているが、どうすれば台中関係を維持できるのか」

一方、新年のスピーチで中国の習近平国家主席は「祖国の統一は歴史の必然だ」と台湾統一に改めて意欲を表明。

この発言を受け、台湾の蔡英文総統は「台湾は民主主義で、民主主義の過程を経て最終決定しなければならない」と強調しました。

台湾のほとんどの世論調査では、蔡総統の後継者である与党の頼候補がリードしていますが、彼を「独立勢力」と警戒する中国が経済面での圧力や世論工作など、ギリギリまで新たな“揺さぶり”をかける可能性もあります。