日本選手権の再戦、3区のスピード対決に相澤が意欲

7区が東京五輪代表を決めたMGCの再現なら、3区もパリ五輪選考レースだった日本選手権10000m(12月10日・国立競技場)の再現になるかもしれない。日本記録で優勝した塩尻、3位の相澤、4位の田澤が出場。相澤は東京五輪10000m代表を決めた20年日本選手権優勝者だが、そのとき2位だった伊藤達彦(25、Honda)、3位だった田村和希(28、住友電工)も出場する。過去2年3区で連続トップに立った林田も加わり、激しい戦いが予想される。

「旭化成は4区に外国人選手がエントリーできなかったので、それを考えると先頭でタスキを渡したいですね。日本選手権の疲労もありますが、それはみんな同じです。その中でもニューイヤー駅伝に向けて、夏場から準備してきました。そこが試されると思うので、キツい状態でもしっかり動かして、その結果区間賞が取れたら」

2年前に3区で区間賞を取った。そのときは最初の5kmを13分19秒で入り、10kmは27分前後だった。追い風が、トラックの日本記録以上のスピードを出させてくれる区間だ。

「それだけ突っ込んでも粘れたのはよかったと思います。今回も前半から積極的に行かないといけないのは同じですが、距離が2km長くなったことは結構大きいですね。10km以降の残りの距離が、3kmと5kmでは。ペース配分とまではいかないですけど、気持ち抑えめに入った方がいいと思います」

3区は基本的に追い風で上りもないが、小さなアップダウンが何カ所かある。最大スピードで飛ばしている状況でもあり、そこで差が付くのでは、と考えて3区を重視する指導者も多い。旭化成もそういった部分を考慮して相澤を3区に起用したのだろう。

だが相澤本人は、多少の起伏は苦にしない。「大したことない、と言ったらよくないかもしれませんが、リズムには比較的乗りやすいと思っています」。相澤は日本記録保持者の塩尻を「区間賞を争う相手になる」と見ている。

その塩尻は30日の会見で、ライバルたちをあまり強く意識しないと話した。
「同じ区間を走るメンバーの名前はしっかり意識しますが、駅伝は(個人で勝負をする)トラック種目とは違います。誰がいるからに関係なく、自分の走りをして、力を出し切って次の区間に渡します」

田澤は対照的に「僕は意識します」とコメント。「日本選手権で走った選手は正直意識しますが、塩尻さんと一緒で、誰がいようが自分の走りをすることに変わりはありません。今持てる力を発揮したいと思います」

各選手が自身最善と思われるメンタル状況を作り、新しくなった3区のスピード勝負に挑もうとしている。