台湾総統選まであと2週間となるなか、候補者3人によるテレビ討論会が行われ、中国に対する政策方針などをめぐり論戦となりました。

総統選の候補者3人によるテレビ討論会は、メディア各社による共催で、テレビやインターネットで中継されました。

選挙の争点となっている中国への政策方針をめぐっては、中国と距離を置く与党候補が、融和的な路線の野党候補に詰め寄りました。

民進党 頼清徳 候補
「二人に聞きたい。中華民国と中華人民共和国は隷属関係にあるのですか?」

国民党 侯友宜 候補
「中国本土は台湾の独立に反対で、すでに台中関係は緊張状態だ。あなたは独立を主張しているが、どうすれば台中関係を維持できるのか?」

世論調査では与党・民進党の頼清徳候補がリードする展開となっています。

討論会を受け、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官は、与党・民進党について「『台湾独立』の分裂路線を推進し、両岸関係の平和的発展を欲しいままに破壊した」と非難する談話を発表しました。

談話では、民進党の頼清徳候補について、「台湾海峡の平和を破壊し、両岸の対抗を引き起こす危険性がある」としたうえで、「台湾同胞は戦争か平和かで正しい選択をするよう心から希望する」としています。

総統選の投開票日が2週間後に迫るなか、台湾の世論調査では依然、頼氏がリードを保っていますが、中国政府としては「頼氏が当選すれば戦争になる」と危機感をあおることで、台湾の世論に揺さぶりをかける狙いがあるものとみられます。