6区に小山と大迫、西山とマラソン選手が激突
6区(11.2km)はインターナショナル区間を除けば最短区間。以前はチーム7番手の選手が起用され、選手層の厚さが表れる区間だった。13年大会から22年大会までは、10回連続で優勝チームの選手が6区の区間賞を獲得した。前回もHondaの中山は区間2位だった。
今回はHondaがパリ五輪代表の小山、トヨタ自動車が昨年の世界陸上オレゴン13位の西山雄介(29)、GMOが21年の東京五輪6位入賞の大迫、三菱重工が今年のアジア大会4位の定方俊樹(31)と、マラソン日本代表選手が多く参戦する。マラソン選手の粘りが、向かい風の区間で力を発揮する、と期待されての起用だろう。
GMOは亀鷹律良監督が「(大迫は)わくわくする区間に起用する」と話していた。この区間で絶対にトップに立つ、という意思表示だった。しかし、それはどのチームも同じ。Hondaは5区の青木で追い上げ、看板選手の小山でトップに立つ計算だろう。
それらマラソン選手の中で、富士通は新人の伊豫田達弥(23)を起用。昨年の関東インカレ10000m優勝者で、箱根駅伝は追い風で下りの多い3区で実績を残してきた。だが東日本予選では単独走となった6区で区間賞と実績を残している。伊豫田の快走があれば富士通が3年ぶりの優勝に近づく。
7区は服部と中村の東京五輪マラソン代表コンビが対決
7区(15.6km)も3強はマラソン選手を起用してきた。Hondaは2時間7分台の木村慎(29)、富士通は東京五輪代表だった中村匠吾(31)、トヨタ自動車も東京五輪代表だった服部勇馬(30)。
木村は前回区間2位で優勝テープを切った。服部は前回この区間の区間賞。中村は3年前の富士通優勝時に最長区間の4区を走り、終盤のスパートで後続を大きく引き離してトップ中継した。
逆に三菱重工は1500mでも日本トップレベルだった的野遼大(31)を起用。旭化成は市田孝(31)で、トラックと駅伝で日本トップクラスの選手だが、今年はシカゴマラソンで2時間8分台をマークした。中村と市田、的野が同学年で、1学年下が服部と木村。経験も豊富に積んでいるだけに、彼らの争いになればすごい戦いになりそうだ。
そこに新人の嶋津雄大(23、GMOインターネットグループ)が加わったとき、どんな戦いを挑むのか。アンカー決戦までもつれたとしても、すごい戦いが見られそうだ。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
※写真は左から塩尻和也選手、小山直城選手、田澤廉選手(30日の前々日会見時)