元旦のニューイヤー駅伝 in ぐんま(第68回全日本実業団対抗駅伝競走大会。群馬県庁発着の7区間100km)の区間エントリーが、12月30日の監督会議後に発表された。

前回1~3位チームが3強と言われている。前回優勝のHondaはMGC優勝の小山直城(27)が最長区間の2区ではなく6区に回ったが、前回5区区間賞の青木涼真(26)は予定通りに5区に入った。前回2位の富士通は3区に10000m日本記録保持者の塩尻和也(27)が入るなど、予想の範囲内のオーダーに。アンカーの7区に東京五輪マラソン代表の中村匠吾(31)が入った。前回3位のトヨタ自動車は2区に太田智樹(26)、3区に田澤廉(23)と、ダブルエースが順当に入った。

旭化成は1区に長嶋幸宝(19)を投入。最年少選手の区間賞でチームに勢いを付けたい。GMOインターネットグループ(以下GMO)も予想通り、大迫傑(32)が後半区間の6区に入り、後半でトップに立つ展開を狙う。

1区は高卒ルーキー長嶋がベテラン勢や代表経験選手に挑戦

1区(12.3km)高卒1年目の長嶋の走りが注目される。区間エントリー発表前の取材だが、「(メンバーで)一番若い自分が区間賞を取ればチームは盛り上がると思います」と話していた。高卒1年目の日本選手が区間賞を取れば18年大会1区の遠藤日向(25、住友電工)以来となる。

だが百戦錬磨の選手たちが長嶋に立ちはだかる。代表経験組では、前回区間賞の村山紘太(30、GMO)は10000mの元日本記録保持者で、15年世界陸上と16年リオ五輪代表だった選手。ラストスパートも強い。坂東悠汰(27、富士通)は21年東京五輪5000m代表で、3年前には3区(区間6位)でチームの優勝に貢献した。

30歳以上のベテランも強い。大石港与(35、トヨタ自動車)は15年に5区、17年に3区で区間賞を取った選手。中間走をハイスピードで押して行く。中村信一郎(30)は19年大会の1区区間賞選手。今季10000mで自己新と再浮上してきた。
服部弾馬(28、NTT西日本)や、1500mで3分40秒を切るスピードを持つ森田佳祐(28、SUBARU)、才記壮人(28、富士山の銘水)らもラスト勝負にもつれたら区間賞候補だ。

2区は混戦予想。太田、池田、細谷らの中でトップに立つのは?

2区(21.9km)が今回から最長区間になったが、前回までの4区と比べ、差が小さい状況でタスキを受けるため、いくつかの集団でレースが展開すると予測されている。“つなぎの2区”になるのではないか、と言う指導者もいる。レベルが拮抗した選手同士が走れば差はつきにくくなる。

それでも最長区間である。終盤でペースダウンしてしまったら一気に差が付く。
HondaはMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)優勝の小山直城(27)ではなく、調子の良さを買って2年連続6区(区間賞と区間2位)の中山顕(26)を起用。中山が他チームのエースに対し、どんな走りができるかで、トップに立ちたい後半区間への影響が違ってくる。

トヨタ自動車はダブルエースの1人、日本選手権10000m2位で、日本歴代2位記録保持者の太田を投入。この区間でトップに立つ構えだ。SUBARUも日本選手権5000m3位の清水歓太(27)を起用。上位の流れに乗り、4区のキプラガット・ベンソン(20)でトップに立って地元の太田市入りをするプランだ。ベンソンは過去2年、インターナショナル区間(当時2区)で区間賞と区間2位の実績がある。

日本選手権10000m7位の難波天(24、トーエネック)、同9位の菊地駿弥(25、中国電力)らがトラックの日本選手権上位選手だが、トラック選手よりもマラソンで頑張っている選手が多い。

九電工がMGC2位でパリ五輪代表の赤﨑暁(25)、富士通は2時間7分台の浦野雄平(26)、三菱重工は2時間6分台の井上大仁(30)、Kaoは今年のアジア大会代表で2時間6分台の池田耀平(25)、黒崎播磨も2時間6分台で12月の福岡国際マラソン日本人トップの細谷恭平(28)、西鉄は2時間6分台で元日本記録保持者の設楽悠太(32)、コニカミノルタが学生歴代2位の柏優吾(23)、そしてJR東日本が2時間05分59秒の日本歴代4位を持つ其田健也(30)。

前回4区区間賞の池田は、今回も区間賞でトップに立ちたい。3区にも強力ランナーを起用しているチームの浦野と井上、細谷はトップが見える位置で3区にタスキを渡したい。