年明け、1月13日に行われる台湾総統選挙。「中国の軍事的脅威」と、どう向き合うのかは最大の争点です。その最前線を取材しました。
台湾中部、台中市にある清泉崗空軍基地。台湾海峡に近接する空軍最大の基地で、まさに中国との“最前線”です。
午前9時。2機の戦闘機が海峡のパトロールに向かいます。
去年8月のアメリカ下院議長の台湾訪問以降、中国軍の戦闘機が事実上の「停戦ライン」にあたる、海峡の「中間線」を越え、台湾側に入るケースが急増。去年は949機でしたが今年は10月時点で1300機を超え、過去最多を更新する勢いです。
この日、JNNなど一部メディアに公開されたのは緊急発進、いわゆるスクランブルの訓練。パイロットは5分以内に準備を終え、離陸態勢に入ります。
台湾空軍パイロット(33)
「(緊急発進は)最近、多い傾向にあります。(Q.中国軍機とどのくらい接近したことがありますか)およそ2キロです。(Q.いつか中国が台湾を武力侵攻すると思いますか)自分の任務をしっかり遂行して、台湾を守るだけです」
中国軍機の中間線越えについては。
台湾空軍パイロット(39)
「この件で緊張を高めたり(我々が)挑発したりすることはありません」
専門家は、中国機の中間線越えが台湾軍の負担となっているのは事実と指摘。
中国側の狙いについては。
台湾 国防安全研究院 許智翔准研究員
「一歩ずつ、一歩ずつレッドラインを試しながら、台湾やアメリカ、日本がどう反応するか見ているのです。政治的に台湾に圧力をかけるだけでなく、中国国内に向けたアピールにも利用しているのでしょう」
空軍基地近くに住む人
「危機意識は少しはあります」
「中国共産党は威嚇しているだけだ。怖がることはない」
ただ、台湾の戦闘機の数はほぼ変わらないのに対し、中国は増え続け、空軍力の差は開く一方です。
そして中国政府は、きょう。
中国国務院台湾事務弁公室 陳斌華報道官
「台湾独立は戦争を意味します。民進党当局は台湾独立の立場を頑なに維持している」
「戦争」という表現まで用い、中国と距離を置く与党、民進党の総統選候補をけん制しました。
圧倒的軍事力を有する中国と、どう向き合うのか。総統選の最大の争点となっています。
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