「気丈に話されているなと…」被害者支援を担当した警察官 遺族を病院へ送り届けた当時を語る
当時、被害者とその家族をつなごうと奔走したのは病院だけではなかった。大阪府警天満署の男性巡査部長(36)は、この事件で初めて被害者支援員に選ばれた。
(巡査部長)「とにかく選ばれたからには、自分のできることを一生懸命やろうと思いました」
大阪府警では約1300人の警察官らを被害者支援員に指定していて、大きな事件が起きた際、病院への付き添いや行政手続きなど被害者家族の身の回りのサポートを担う。巡査部長は遠方から駆け付けた被害者の両親を病院に送り届けたという。
(巡査部長)「終始、被害者の方の思い出話をされていました。本当に親孝行な子どもだったとおっしゃっていました。気丈に話されているなというふうにお見受けしたんですけれども、考えないようにするためにずっと話されていたのかなと思いました」
その後、両親は深夜までわが子のそばに寄り添った。しかし翌日、帰らぬ人となった。
(巡査部長)「面会される時は足元が揺れて、立っているのも大変そうだったので、そばで支えるように待機していました」
わが子を失った遺族を目の当たりにして、改めて被害者に寄り添う支援の重要性を感じたという。
(巡査部長)「相手を不安にさせたり不快な気持ちにさせたりしたらダメだと思うと、なかなか言葉が出にくくなりまして、相手の気持ちに配慮して被害者支援をしていきたいと今回とても学びました」