「命が平等なら、奪った命の分だけ、罰を受けてほしい」

病気に支配されていたらどんなことをしてもいいのなら、被害にあった人やその家族の人権は、どうやって守ってもらえるんですか?人の命はみな平等です。36人を死亡させたことが、ただ病気だからといって被告人が守られることは説明がつきません。命が平等なら、奪った命の分だけ、罰を受けてほしいです。
息子は島出身というハンデがありました。ハンデがあるのは、家庭環境が悪かった被告人と同じじゃないですか。片方は夢をかなえたのに、片方は逆恨みして人に嫉妬して、犯罪を犯して、歪んだ意識を抱いたことは理由にならないと思います。被告人は、息子と、ほかの35人の亡くなった方と、多くの被害者と、残された私たちの苦しみを毎日考えて、毎日後悔したまま生きてほしいです。最後の日まで苦しみぬいてください。
裁判官、裁判員の皆さん、36人という数字だけでなく、一人一人に特別な人生があったこと、家族・友人がいたこと。その一人に、私の大好きな息子が、物静かだけど芯が強くて前向きなあの子がいたことを、忘れないでください。
――男性社員の母親が裁判員らに語りかける間、傍聴席では静かに涙する人の姿もみられた。