寺の境内に置かれた「平和塔」…、実は軍人戦没者を慰霊するための「忠魂碑」を彫り直したものでした。戦争によって社会の気運や人々の心の持ちようがどう変わったかを知る資料だとして、地元の市民グループが21日、町の文化財に指定するよう申請書を提出しました。
文化財指定の申請書が提出されたのは、富山県入善町東狐の善称寺にある「平和塔」です。

「平和塔」は終戦から5年後の1950(昭和25)年に建立されましたが、背面には「忠魂碑」の文字をコンクリートで埋めて消した痕跡があります。
つまり、もとは「忠魂碑」だった石碑を日本の敗戦をきっかけに「平和塔」に作り替えられたのです。

地元の歴史愛好家で構成される市民グループ「昭和史セミナー(共同代表:佐原春光さん)」が調べたところ、入善町立飯野小学校の“百年誌”に忠魂碑について記載があるのを見つけました。


「忠魂碑」とは、明治維新以降、日清戦争や日露戦争をはじめとする戦争や事変で戦死した地域出身の兵士のために建立された記念碑です。