■デフレ、円安、物価上昇…日本は何をどう変えていけばいいのか?
井上貴博キャスター:
日本はずっとデフレデフレ地獄の中、最近物価が上がってきたと言われている、でも世界もとんでもない異常なインフレになっている。これは参議院選挙もありますが、日本は何をどう変えていけばいいのか、斎藤さんはどんな見解をお持ちですか?
東京大学大学院 斎藤幸平准教授:
今後、生活のもの、様々なものが高くなってくると「これ以上の円安を止めなきゃいけない」となって、そうすると売上や量的緩和をやめることが議論されなければいけない。そうすればアベノミクスそのものをどう評価するのか、これからもやっていくのか、それともこれには限界があった、問題があったとして別のやり方を始めるのか、こういうことが改めて議論されなければいけないところに来てしまった。
井上貴博キャスター:
その議論でよく政治家の皆さんが「私たちの政党は賃金を上げます」とおっしゃるじゃないですか。でも政治家の皆さんが上げるというよりも、結局は企業がどう判断するかということだと思うんですけど、どうやると賃金が上がっていくマインドに変わっていくものですか。
斎藤幸平 東京大学大学院准教授:
この状況だと、円安で様々な資源を輸入している企業は資源の分だけコストが圧迫されている中で、賃金をさらに上げるとなるとさらに圧迫されてしまうので、本来であれば強い労働運動などがなければ上がらない。実際にアメリカではアマゾンやスターバックスなどで労働組合が形成されて、そうしたものも含めて賃金が上がっているっていうことを考えると、そういうものなしには難しいかもしれないですね。