■中古のiPhone市場 前週と比較して売り上げが3.8倍のサイトも!

この値上げを受けて、こんなところに影響が出ているようです。中古の携帯電話なのですが、中古スマホ販売サイト「にこスマ」は朝5時からアクセスが増加しました。そして1日午前11時時点で、前週と比較してこのウェブサイトを訪問した人の数が1.7倍。売り上げも3.8倍ということで、中古のiPhoneを皆さん購入しているようです。


<中古スマホ販売サイト「にこスマ」井上大輔代表によると>
スマホの買い替えを迷っていた人が、この値上げのニュースをきっかけに「中古相場も上がるかも」と警戒した人が購入したのではないか。今回の値上げをきっかけに、中古スマホの需要が高まると思います。

井上貴博キャスター:
歴史的な円安で、その分が価格に転嫁された。頭では仕方ないとわかっていても、携帯電話が1台20万円する時代になりました。

東京大学大学院 斎藤幸平准教授:
「円安20円」と言われてピンとこなかった人も、身近な携帯電話がこれだけ値上がりすると円安・インフレだなって感じますよね。当然、原因は欧米でインフレを抑えるために利上げが進んでいるからというわけですが、日銀は基本的にはこれから利上げをするつもりもないですし、量的緩和の方針を変えるつもりもないと言っています。これはアベノミクスを続けて景気を良くしていこうじゃないかという方針なわけですが、これをやると円安がますます進んでしまうかもしれない。これは板挟みですよね。

井上貴博キャスター:
円安がますます進む中で、国際価格に標準を合わせたという形でiPhoneの値段が上がるのはもしかしたら仕方ないかもしれないですが、それでいうと、国際的な中で日本は賃金が全然上がっていないので、ジリ貧にどんどんなっていくという。

東京大学大学院 斎藤幸平准教授:
僕は別にiPhoneが値上がりしたって、そもそも携帯電話なんて2年ごとに買い換える必要はないと思っていますので。環境にむしろ悪いじゃないですか。なのでこれで少し需要が収まっても、それはエッセンシャルじゃないと思うんですが、今後、原油価格などが円安のせいで値上がりし、電気料金や食料価格などが上がっていけば、庶民の家計を圧迫することになるのでそちらの方が心配です。

■iPhone13 Pro Max(1TB)世界的に見ると日本は“最安値”

ホラン千秋キャスター:
値上げ前の価格では、世界的に見ると日本は▼19万4800円で最安値ということなんですが、では、この中で最も高い国はどこでしょうか?

東京大学大学院 斎藤幸平准教授:
アメリカとかは高いのでは?

MM総研調べ 6月時点 34の国・地域が対象

ホラン千秋キャスター:
最も高いのはブラジルです。それぞれの国の通貨を日本円に換算しているのですが、ブラジルでは▼40万8278円。とてもじゃないけど手が届かないという感じがします。そして、アメリカは日本よりも高い▼22万4665円、イギリスは▼25万1774円、中国は▼25万1226円となっているので、世界的に見るとまだまだ高い国はあるわけです。

<MM総研・横田英明研究部長によると>
iPhoneは、海外の人が日本で購入するケースが多い。自国に戻ってそれを転売する。そうすると利益が出るということで、購入した人が自国で高く転売することも多い。Appleとしてはブランドイメージを損なうので良く思っていないという分析がある。

<日本でアップル製品が安い理由>
日本は経済状況と価格は関係があり、年々価格が上がる国が多い中、日本はデフレが続いていたので、価格を上げすぎてしまうと買ってもらえないということで価格を上げにくかったという背景がある。