なぜ、カラスは駅前に集まるのか。

60年近く鳥類の研究を続けている信州大学名誉教授の中村浩志(なかむらひろし)さんは、街がカラスにとって安全なねぐらになっていると話します。

信州大学名誉教授 中村浩志さん:
「繁殖が終わった冬秋は集団でねぐらをとる習性があるのです。かつては郊外にねぐらを取っていたんです、ムクドリもカラスも。しかし、数十年かけて郊外にねぐらを取るより、市街地にねぐらを取ったほうが安全で快適に夜を過ごせることをトリが学んだからです」

「うわー集まってきた…」


2015年の冬、およそ3万羽のムクドリが、長野市中心部の小学校の校庭や街路樹に集まり問題に。

中村教授の指導で追い払い作戦を実施し、数年をかけて徐々にねぐらを中心市街地の外に分散させました。


日中は郊外で過ごすムクドリやカラスなどにとって、フクロウやイタチなど命を脅かす捕食者が少ない市街地は安心して眠れるねぐら。

カラスも5年ほど前から市街地をねぐらとし、ここ数年は長野駅の構内に集まるようになったと言います。