専門家が見比べ・飲み比べてみると…「全然違います」
同じ名前の抹茶でも、宇治で作られた正規品と中国産の模倣品に違いはあるのか。取材班はお茶の専門家として多田製茶の日本茶インストラクターである多田雅典専務に比較を依頼した。まず外観を見た感想は。
(多田製茶 多田雅典専務)「へえ…すごいな。わかんないですよね、見た感じでいくと。確かに安っぽい感じもしますけど、でも普通に売っていたらわかんないですよね、これ」
そして中身を見てみると。
(多田製茶 多田雅典専務)「全然、色が違いますね。丸久小山園の抹茶のほうが緑がさえているというところと、全般的に色味が青みがかっている。しっかりとグリーンが濃いですよね。それに対して中国産の抹茶の方は全般的に色がくすんでいる。色としてもやや黄色っぽい色をしている」
丸久小山園の商品は青みが濃く鮮やかだが、中国産の抹茶は黄色っぽくくすんでいて品質の違いが明らかだという。
続いて実際にお茶を点てて飲んでみると。
(多田製茶 多田雅典専務)「右半分が丸久小山園さんの抹茶、左の方が中国産抹茶ですね。中国産の抹茶は渋いですね。全然違います。丸久小山園さんの抹茶に関しては、非常にうまみが強くて、飲んだ瞬間にまろやかにうまみが広がっていく」
記者も飲み比べてみた。
(記者)「丸久小山園の商品はおいしくて、私、苦いのが苦手なんですけど、あっさりしているので飲みやすいなと」
(多田専務)「まろやかですよね。じわーっと広がっていく」
(記者)「全然苦みが残らない感じがします。続いて中国産の抹茶は…後味が舌に苦みが残るような感じがして、苦手な人からしたら飲みにくいかなという印象ですね」
素人目でもわかる品質の差。こうした中国産の模倣品が流通すると業界としてもリスクがあると指摘する。
(多田製茶 多田雅典専務)「日本のお茶屋さん各社が輸出をしようとした場合に、同じ商品名、同じブランドで並んでしまうリスクがあるってことですよね。それってすごく日本の会社からすると不幸ですよね。(本物の方が)品質は上だけれども、(模倣品は)もしかしたら日本産よりも安い価格で、自分の会社の屋号を使われてしまうということなので」