「今は生きたくて仕方がない」絶望の中で感じた希望

がん患者以外にも、病気などによる“外見の変化”に悩む人はたくさんいます。

「だんだん失われていくこと。女性らしさが失われていることへの絶望感がものすごく辛かったです」

2021年、原因不明の脱毛症にかかったあゆみさん(37)は、がん患者ではありませんが医療用ウィッグを着用し、美容室でケアを受けていました。

「ケアして頂くことを通じて、私個人の尊厳をすごく守って頂いていると感じた」と話すあゆみさん。実は近くに相談できる美容師がいなかったため、当時住んでいた南魚沼市から長岡市まで車で通ったそうです。

今年に入り肝臓の機能が低下するなどあゆみさんの体調は急変して緊急入院。6月、医師から告げられたのは…

あゆみさん(37)
「『残りあと1か月くらい持つか持たないか』という余命宣告を受けました」

余命宣告を受けた当時、戸惑いや恐怖は感じず『生』に執着がなかったというあゆみさん。しかしその後、たくさんの人から届く『励ましの声』が、あゆみさんの気持ちに変化を起こしたそうです。

「今は生きていたくて、仕方がないです。命がある限り人の役に立つことで、恩返しが出来れば…」

幸いにも、あゆみさんの体調は若干改善の兆しを見せています。
あゆみさんの願いは、病気やその治療によって外見で困っている人たちの人としての尊厳を守る取り組みや考え方が広まること。斎藤さんたちの活動にエールを送っています。