『アピアランスケア』をご存知でしょうか。
がん治療に伴う脱毛など、がん患者の外見の変化をケアする取り組みです。このアピアランスケアへの取り組みを続け、美容師としてがん患者に寄り添う女性を取材しました。

がんを経験して…アピアランスケアを広めたい

新潟県長岡市で美容室を営む斎藤愛さん(47)。
『アピアランス美容サポート』という団体を立ち上げ、抗がん剤の影響で髪の毛が抜けるなど、患者の“外見の変化”に対してケアする取り組み=アピアランスケアについてセミナーなどを開催しています。

斎藤さんがアピアランスケアの必要性に気付いたのは、がん治療を経験した義理の妹の存在との会話からでした。

「義理の妹もがんになってウイッグの話が出たときに『そういうのをやってくれる美容室ってどうやって探すんだろうね?』みたいなところから始まったんですよ」

さらに2019年、斎藤さん自身にも、がんが見つかったのです。

「抗がん剤とかやるのかなとか…どうなっていくんだろうみたいな。まず告知で、ショックで何にも考えられない。思い出しただけでも泣きそう…そういう経験があったので、そう思っている人もいっぱいいるんじゃないかと思って…」