トランプ前大統領「余裕」の訳は…

気づけばアメリカ大統領選挙まで1年となった。果たして誰が次の大統領になるのか。

世界が注目する中、11月8日には3回目となる共和党の大統領候補者討論会が行われ、フロリダ州のデサンティス知事、ヘイリー元国連大使、実業家のラマスワミ氏ら5人の候補者が、外交・安全保障や中絶規制の問題などをめぐって、激論を繰り広げた。

ただ、共和党内の支持率で首位に立つトランプ前大統領は、3回続けて討論会を欠席。

今回は討論会の会場からわずか10数キロしか離れていない場所で支持者集会を開き、「いま討論会をやっているようだが、誰も話題にしてないよな」などと言って会場を沸かせた。

トランプ氏が余裕の態度を見せているのには訳がある。共和党内の支持率で他の候補に圧倒的な差がついているからだ。

世論調査によると、4つの刑事事件で起訴されるたびにトランプ氏の支持率は上昇。トランプ氏の有力な対抗馬と目されたデサンティス知事との差は広がる一方だ。

起訴される度にトランプ前大統領が他候補を突き放してきた

もしトランプ氏が共和党の大統領候補となれば、バイデン大統領との対決の行方はどうなるのか。

CNNテレビが行った最新の世論調査では「きょう大統領選挙が行われたらどちらに投票するか?」という質問に対し、「トランプ氏」と答えた人が49%と、「バイデン氏」と答えた45%を上回った。

米モンマス大学の世論調査では「バイデン氏は大統領として高齢すぎると思う」と答えた人が実に76%に上っていて、高齢不安がバイデン大統領の足を引っ張っている。

ただ、4つの刑事事件で起訴されているトランプ氏も、無党派層を取り込むのは難しいとの見方もある。

ホワイトハウス前でアメリカ市民に話を聞くと、「どちらの候補にもわくわくしない」「再対決みたいな状況は嫌。新しい人に出てきてほしい」という声が多く聞かれた。

バイデン氏対トランプ氏の構図に市民からは不満の声も