「アニサキスの一生」と「寄生のサイクル」


アニサキスは、海中を浮遊しているアニサキスをオキアミが捕食し、そのオキアミをカツオなどの魚が捕食。さらに、そのカツオなどをクジラが捕食。その後、クジラの体内でアニサキスが産み、産んだ卵を糞と一緒にクジラが海中に出して、海中でアニサキスがふ化する、という流れがアニサキスの寄生のサイクルだということです。

「これがいわゆるアニサキスにとっての一生というか生き方です。クジラのところに1回戻っていって初めて大人になります。なので大人になったので、そこで卵を産んでまた広がるんです。その前までは全部幼虫なんです。クジラに戻ったところでようやく成虫という大人になれるんです」

ーーーークジラのお腹の中でしか成虫にならないのですか?
「ならないです。クジラとかイルカとか」

ーーーーこのサイクルだと、人間がカツオなどの魚を捕獲して食べるから、人間のお腹の中に入ってきて食中毒を起こしてしまうのですね?
「はい。アニサキスが一生を送っている中で、人間が魚を捕獲して食べて、人間の口の中に入ってしまうんです。そうすると幼虫の段階で人間のお腹に入ります。アニサキスは人間のお腹の中では大きくなれないんです。なので人間の中にずっと居続けることは基本的にはないんですね。なので一時的なものです」

ーーーー食べてしまった場合、どのぐらいで痛くなり始めるんですか?
「最速で数時間。長いと数日後に症状が出ます」

アニサキスを食べてしまった場合、数時間後~十数時間後にみぞおちの激しい痛みや嘔吐などの症状が出るということです。基本的には治療薬はなく内視鏡での摘出になるということです。

ーーーーアニサキス食中毒の痛みというのは何が原因ですか?
「“アニサキスが噛む”と言われますけれど、胃を噛んだだけでは全然痛くないんです。異物が胃を噛むので、そうすると胃がびっくりしちゃって、胃が収縮したりします。その痛みであったり、または異物なのでそこからのアレルギー反応として痛みを感じるというのが基本だと思います」

ーーーークジラを食べるのにもアニサキスの危険はあるのですか?
「ダメってことはないんですけど、人間に症状を起こすのは幼虫のときなので、成虫になってくるとまたさらに大きくなってくるから、あんまりそれを食べる人はいないですよね。見たらわかるから」

ーーーーアニサキス対策として『目視・目で見て発見・除去』ということが、アナログですが確実なのですかね?
「見て、そこにいたらですね」

ーーーーそのほかの対策として『マイナス20℃で24時間冷凍』というのもありますが?
「マイナス20℃でいいと思います」

そのほかの対策として『70℃以上もしくは60℃なら1分加熱』『生で内臓は食べないように』などがあります。

ーーーーアニサキスを食べてしまった場合、どれくらいの人が痛みを感じたりするのですか?
「実際に何匹食べて口に入って、その後に何人に症状が出るのかというのはあまりわからないわけなんですけど。決して食べたら全ての人が激痛を起こすわけではない。実はほとんどの人はそのまま流れていっていると思います」

 (2022年6月28日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)