そして、この2日後、大千軒岳の6合目付近では、男性の遺体が発見されました。男性は、1人で山に入り、行方が分からなくなっていた、函館市の大学生、屋名池奏人(やないけ・かなと)さん22歳で、司法解剖の結果、死因は全身に激しい損傷を受けたことによる出血性ショックと判明しました。

大千軒岳の登山口(2日 北海道福島町)


 屋名池さんの遺体の近くでは、クマの死骸が見つかっていて、屋名池さんは、このクマに襲われた可能性があるとみられています。
 そしてクマには、刃物によるものとみられる傷がありました。
 このクマは、10月31日に消防隊員の男性ら3人を襲ったクマとみられ、傷は男性の1人が持っていたナイフで刺した際にできたものとみられています。
 つまり、クマは屋名池さんを襲ったあとに、通りかかった消防隊員ら男性3人にも襲いかかり、反撃を受けて死んだのではないか。
 道立総合研究機構や道警は、現場に残されたクマの死骸などを調査し、当時の状況を明らかにします。