政治学とは心理学 党職員としての総裁の胸中のはかりかた

総理の打ち出す政策が果たして国民にどれだけ支持をされるのか、その見極めを推し量る能力がものをいう。

久米氏は、歴代の総理・総裁が解散を判断するタイミングをどう推し量ってきたのか。「政治学は心理学」だと強調し、総理の性格・心理を読み解くことが大事だと語った。

―総理の心理面でいうと、岸田総理は、今までのポリシーとして、決まる直前までいろいろと吟味して、打ち出しはやっぱり直前になる傾向にある。いい面もある一方で、真意が見えにくいといった指摘も。こういった政治手法に関しては?

「岸田総理ってね、すごく真面目な人だと思いますよね。だからそこでもう少しね、国民がね、なるほどと。この人言っていることは間違いないなというような、やっぱり状況を作り出すことが一番必要だと思いますよね」

―歴代の総理が解散を判断するのに、自民党としてはいろんな材料を収集し、提示してきたと思うが、久米さん自身はどのような材料を提供してきたのか?

「総理自身が自分で判断ね、材料集めて自分で判断するわけですから、第三者がね、口を挟むようなことほとんどないと思いますね。政治って心理学だからね、総理の、考え方、心理状況、それ一つですよ。小泉元総理が郵政選挙で解散を打ったでしょ。みんな『まさか~』って思ったわけですよ。安倍元総理もそうでしょう。
総理の、やっぱり心理をね、どうやって読み取るかってことがね、全てだと思いますね」

自民党 宏池会パーティー

自民党の派閥は現在6つ。岸田総理が率いる岸田派は、そのうちの第4派閥だ。総理就任後も派閥の数を大幅に拡大できていないことに危機感を持っている。10月の内閣改造で、腹心の木原誠二前官房副長官も党に移った。久米氏は、「竹下七奉行や安倍四天王」を引き合いに出して、「取り巻きは複数いたほうがいい」とも語った。

「岸田総理は、政治に対して実直に取り組んでいると思いますよ。ただ、どこでもそうだが、オールマイティーの人はいない。足らざるところを補える人がね、近くにいるかどうか全てですから」

岸田総理は、政策の一丁目一番地を『経済』とし、「経済」の岸田を印象付けたい考えだ。その効果を国民がどう受け取るか、いかに実感できるか。

「世論調査」の反応も見極めながら、国民の「心理」にも目を配り、岸田総理は効果的な解散時期を探るだろう。

聞き手:政治部 官邸サブキャップ 加納沙也香