燃料枯渇“トンネル無力化” 弱体化狙うも病院閉鎖で市民に影響

日比キャスター:
そして深刻な問題は燃料不足です。ガザへの支援物資は水・食料・薬品などはあるものの、燃料は含まれていません。理由は燃料をハマスが横取りし“軍事目的で使う”可能性があるからです。イスラエルはその燃料の供給を妨害することによって、ハマスの弱体化を狙っているとみられています。

しかし、イギリスのBBCによりますと、この影響でガザ地区の病院では緊急治療室を除く全部門が閉鎖、人工呼吸器などの救命機器の燃料を節約する事態になっているそうです。

須賀川記者:
ハマスを弱体化させるために燃料を送らないようにすると、市民にも影響が及ぶことになります。このようなコレクティブ・パニッシュメント(集団的懲罰)は非常に大きな問題だと思っています。

井上キャスター:
地上侵攻は避けられない現状で被害をどう最小限にするのか、民間人・人質の命をどう守るのでしょうか。

歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
例えば暖を取る際は薪にするなど、横流ししても戦闘で使えないような燃料が支援されていくといいですね。

井上キャスター:
地上侵攻になるかわかりませんが、長期化は間違いないですか?

須賀川記者:
現時点で支援の滞りが起きています。さらに南部に避難した100万人以上の人たちに対して今後どのように支援をしていくのか、壊れたインフラをどうするのかなど、戦争だけではなく、その後の復興も含めて、かなり長いスパンで物事を見ていかなければならないと思います。

日比キャスター:
地下トンネルにおいて燃料不足はどのような影響が起きるのでしょうか。防衛省 防衛研究所 吉田智聡研究員によりますと「トンネルを換気するための燃料は、ほぼ底をついているだろうと指摘をされている」と言います。

まず▼換気システムを停止し、ハマス戦闘員らをトンネルの外におびき出す ▼電力を停止し、通信システムを遮断する。結果としてミサイル攻撃を不能にする。このような目的が指摘されています。

須賀川記者:
実は二つのポイントがあります。一つ目はトンネルにおそらくいるであろう、人質の命も危ぶまれること。二つ目はハマスが人質を人間の盾として使ってる可能性があること。このように非常に複雑な要素が絡み合ってるので、単に換気システムを止めてトンネルを破壊すればいいというわけではない。

人質の命をどうするのか、ハマスの戦争犯罪はどうするのか、一刀両断にスパっと割り切れる問題ではないところがこの問題の難しいところです。